オリジナル脚本によるホラームービーである本作を手掛けたのは、『ミスミソウ』や『許された子どもたち』など十代の子どもたちの生きづらさとその中でのサバイバルを、時に鮮烈に時に痛切さをもって描いてきた俊英・内藤瑛亮監督。エンタメ性と社会性を両立し、煽情的なだけでなく現代日本の抱えた病理に食い込みながら描くその手法は国内外で高く評価されてきた。本作では、2011 年にインターネットの匿名掲示板で話題となった、ある新婚家族の出来事をモチーフとして、十代の女の子と新しく家族となる継母の関係を軸に、謎の少女と家族の壮絶な争いを描いている。
ジャンルを問わず多彩な役柄で観客を魅了してきた実力派俳優・佐津川愛美が主演を果たし、無邪気な悪意に満ちた少女ちーちゃんに立ち向かう主人公・萩乃を繊細かつ力強く演じきっている。
そして“毒娘”ちーちゃんのキャラクターデザインを担当したのは、「悪の華」「血の轍」など思春期に芽生える少年少女の暗部を徹底的に描き出すことで知られるカリスマ漫画家・押見修造。内藤監督の世界観に共鳴し、その特異な感性で描かれたキャラクターが、どう具現化されているのかも本作の見所となっている。
さらに、押見と内藤のコラボレーションはその世界観を押し広げ、押見によるオリジナルストーリーが展開する漫画「ちーちゃん」が週刊ヤングマガジンにて2024年より連載が決定。本作が映画とどのような関わりを見せるのか、こちらも目が離せない展開となっている。